小国はもと中国(中華民国)の「長鳴鶏」であって、その名称小国は、中国の昌国に因れるものといわれている。我が国への渡来年代は定かではないが、本種が平安時代既に京都地方に於いて飼養されていたことについては、当時の名画家・鳥羽僧正筆「鳥獣戯画」に本種が描かれていることにより疑う余地はない。徳川時代に及び、本種の系統に属する各種長尾鶏が我らの先人により作出された。すなわち、尾長鶏、東天紅、黒柏、尾曳、蓑曳、薩摩鶏、声良、唐丸等は直接本種より出でたるものか、あるいは本種と他品種との交雑により作られたものである。 本種は元来闘鶏である。従って容姿端麗典雅ではあるが、うちに勃々たる闘志を蔵している。鎌倉時代に本種が宮中鶏合に使われたことは史実で明らかである。本種はまた、長鳴性を有し、その子孫に東天紅、黒柏、声良、唐丸等の長鳴鶏を出すに至った。本種の有する長尾性はこれまたよく子孫に伝えて多くの長尾鶏を出したが、なかでも土佐の尾長鶏、すなわち尾長鶏は世界の鶏種中最も珍奇な鶏種とされている。 本種の羽色は五色、または白藤である。長尾鶏中に羽色白種(白笹)型の多いのはこれがためと信じられる。 以上のように小国は、自ら、数々の著しい特徴を具えており、その子孫より多くの名種を出した。世界の鶏種発達史上稀に見る貴重品種であるが、今や原産地の中国に於いて見られず、独り我が国に於いて保存されている。 |
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内種 | 五色種 白藤種 白色種 | |
標準体重 | ♂2000g 若1600 ♀1600g 若1300g |
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失格条項 | 一般失格条項以外、特に本種に適用されるもの。 @耳朶の色が若鶏にして1/3以上、2才鶏にて1/2以上白いもの A脚色が黄色以外のもの B2才鶏にて謡羽の長さが60cm以下のもの C2才鶏にて若鶏の地に達しないもの D標準体重より各70%以下のもの |
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♂の体型 (2才鶏以上) |
冠 | 一枚冠で大きさは中くらい、五歯に分かれ、頭上に確実につき直立する。 |
嘴 | 長さ中ぐらいで強く、程よく曲がる。 | |
頭部 | 大きさ中ぐらいで丸い 顔は丸くきめ細やかである |
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眼 | 大きくよく張り、活々と輝く | |
肉垂 | 大きさ中くらい | |
耳朶 | 稍々小さく楕円形をなし、滑らかで頭部によくつく | |
頸 | 長さ程よく曲がる 頸羽豊かで長く、よく肩を覆い、両側に垂れて咽下に及ぶ |
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翼 | 長く大きく、強く、翼尖は堅くたたむ | |
背 | 長く肩の部分広く、尾へ向かいだんだん狭まり、また緩やかに下り、尾との接合は滑らかで角ばらない 蓑羽は豊かで、甚だ長く地上に達し、地に曳くに至る |
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尾 | 豊かで甚だ長く垂れ下がり、水平線上約30度の角度を保つ 謡羽は幅中くらいで長さ90cmに達するものもあり、川の流れのように美しい波線を描いて長く後方へ曳く |
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胸 | 広く丸くよく張る | |
腹 | 腹は堅く逞しく尾へ向かい、だんだん細まる 軟羽は長く豊かで、臀はよく締まる |
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脚 | 脚はよく開き、まっすぐに立つ 腿は長さ中くらいで強く、脛は長さ中ぐらい 趾は真直でよく開く |
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参考「日本鶏大鑑」 |
≪白藤〜しらふじ〜≫ 所有数 ♀1 (2008年2月現在) |
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